第17話
スーパーヒーローがスクリーンを飾った2008年
2008年はコロンビア映画並びにスクリーン・ジェムズはヒット作を連発し会社にとって追い風となった。ウィル・スミス主演の『ハンコック』(2008年)は、インターナショナルの興行収入6億ドルを突破。マーベルのアメコミヒーローをロバート・ダウニーJr.が演じた『アイアンマン』(2008年)も大ヒットとなった。日本においては『インクレディブル・ハルク』(2008年)も公開し、マーベルのキャラクターへの注目が俄然高まった。また、007シリーズ第22作の『007/慰めの報酬』は、全米にて公開週末の興行収入が7000万ドルに到達する勢いで、ボンド映画としての記録を塗り変えた。
この年、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョン制作のテレビシリーズは全米のプライム・タイムで7番組放送されていたが、エミー賞で合計29部門にノミネートされるという記録を作り、ドラマ部門主演男優賞を「ブレイキング・バッド」のブライアン・クランストンが、ドラマ部門主演女優賞を「ダメージ」のグレン・クローズが受賞した。ブライアン・クランストンはその迫真の演技で圧倒的な評価を得て、3年連続で同賞を受賞。「ブレイキング・バッド」は2010年の米TIME誌TVシリーズTop10で堂々の1位を獲得している。
SPEはデジタル・プロダクション・ユニットを再編し、ソニー・ピクチャーズ・インタラクティブをソニー・ピクチャーズ イメージワークスとソニー・ピクチャーズ アニメーションと同じ部門に置き、デジタル戦略を強化した。
ハンコック
アメリカ /2008年 / アクション
超人パワーで悪を退治し、街を守る男ジョン・ハンコック。<不死身>で何千年も生きている、地上にただ一人の存在。しかし、コントロールのきかない超人パワーのせいで事件解決の度に街を破壊、いつしか嫌われ者のヒーローになってしまう。でも本人は全く反省する気もなく、酒瓶を片手酒臭い息を吐きながら市民に悪態をついている。・・・でも本当は孤独で寂しかった。なぜ自分だけ違うのか?そんな時に出会ったPR会社で働くレイとその家族がハンコックを変えていく。皆から愛される真のヒーローになるべく、ハンコックの戦いが始まる!
アイアンマン
アメリカ /2008年 / アクション
アフガニスタンで自社兵器のデモ実験に参加したトニー・スタークは、テロ組織に襲われ拉致されてしまう。胸に深い傷を負い捕虜となった彼は、組織のために最強兵器の開発を強制される。トニーは装着することで、圧倒的な破壊力とパワーを発揮できる戦闘用パワードスーツを敵の目を盗み開発。敵地からの脱出に成功するが、奇跡的に生還したトニーは、ある事実を知り愕然とする・・・。自らが社長を務める会社が開発した兵器がテロ組織に使用されていたのだ。トニーはその償いをすべく、テロ撲滅に命を捧げることを決断。最先端の技術を駆使し、新たなパワードスーツの開発に着手する。
インクレディブル・ハルク
アメリカ /2008年 / アクション
科学者のブルース・バナーは、恋人ベティの父、ロス将軍の命令を受けて人体への放射線抵抗を研究していた。ところがその研究実験中に事故が発生、多量のガンマ線を浴びたブルースは、怒りを感じて心拍数が200を越えると約2.7メートルもの巨大な緑色のモンスター=ハルクに変身する特殊体質となってしまう。それ以来、彼を利用しようとする軍の追跡を逃れ、ブラジルに身を隠して治療薬開発と細胞の解明に専念するブルース。しかし、ふとした出来事からブルースの居場所が割れてしまい、ロス将軍によって送り込まれた特殊部隊員ブロンスキーらに包囲されてしまう。だがその時ブルースはハルクへと変身、部隊を一蹴し、間一髪のとこで逃亡に成功するのだったが…。
ブレイキング・バッド シーズン1
アメリカ /2008年 / TVシリーズ
アメリカ、ニューメキシコ州アルバカーキ。平凡な化学教師ウォルター・ホワイト(ブライアン・クランストン)は、第二子を身籠っている妻と脳性麻痺の息子を養うため、放課後は洗車屋でアルバイトまでしながら、なんとか平穏な暮らしを保っていた。ところが、50歳の誕生日を目前にひかえたある日、肺癌で余命僅かと宣告を受ける。このまま自分が死んでしまったら、家族に残るものは財産ではなく膨大な借金だけ・・・。その時、ウォルターが思いついた人生最後の賭け、それは化学の知識を駆使した“超高純度ドラッグ精製”だった。善と悪は表裏一体。温厚で生真面目だった男は、愛するものを守り抜くために“道を踏み外していく”《=Breaking Bad》。